信条

今の時代に求められる組織運営のスタイルとは

リーマンショックや震災など、先の読めない大きな変化と、ITによる社会インフラの進化。
今、時代は大きな変革期の真っ只中にあります。

企業運営の方法、組織の在り様も、
経済成長を前提とした「売上目標・出店目標を掲げ、組織を拡大していく」というスタイルではなく、
「人の成長ありき」「組織の成長ありき」で、企業を成長・発展させていく。
そんな「人・組織の成長」を前提としたスタイルにシフトしつつあります。

当社のクライアント企業様でも、組織全体の売り上げ目標を追うのではなく、
営業スタッフ一人あたりの利益に重きを置き、
「生産性の高い社員を増やす」ことに注力した上で、事業を発展させている販売会社様があります。
あるいは、年間の出店目標を掲げるのではなく、
人材育成に重きを置き、社員が成長した段階で出店するというスタイルにシフトしている飲食会社様もあります。

今、そしてこれからの企業の存続・発展には、
1.社員一人当たりの生み出す利益を高めること
2.高い利益を生み出す社員を増やすこと
3.そういった企業文化や風土を創っていくこと
これらの道標が欠かせません。

そういった時代背景の中、我々コンサルタントに求められることも大きく変わったように思います。

理念・ビジョンを軸としたチーム運営型組織へと導く「三の手」として

日本国内では、「中小企業」と呼ばれる会社が9割近くを占めていますが、
中小企業の大きな特徴は、いわゆる「ワンマン」と呼ばれる経営トップが大きな権限を持つ体制です。

この体制は、高度成長期においてとても有効な体制だったように思います。
航海に例えるならば、船長が「会社」という船の舵を切り、
社員であるクルーは、与えられた持ち場に対して真面目に一生懸命仕事する。
舵取りさえ間違えなければ、経済成長の波にのり、船はどんどん大きく豊かになっていく。
だからこそ、社長の能力が会社経営においてとても重要でした。

また、社員の立場からしても、信用できる経営者、会社に付いていくことで、
自分自身の将来を描くことができる時代だったともいえます。
今ほど情報が無いなかで、「誰を信じるか」は、人生に大きな影響を及ぼし、
信頼できる経営者や上司に出会えれば、
あとは与えられた持ち場で真面目に仕事に取り組むことで成果を出していける。
そんな世の中だったのではないかと思います。
こういった時代背景の中で、中小企業の「ワンマン化」は加速し、日本経済の発展を支えてきました。

しかしながら、特に「失われた20年」といわれる90年代から今日にかけて、
カリスマ経営者の舵取りだけでは、企業の繁栄が望めなくなってきています。
経済がハイペースで成長していかない状況の中で、
いち早く現場の状況を最前線の社員が察知し、
新たな取り組みをおこなう組織が求められるようになってきたからです。

ここで「ワンマン体制」に問題が発生します。

これまで現場では、与えられた役割・業務を真面目にこなすことを求められてきた社員が、
会社全体のことを考え、経営者に近い視点で仕事に取り組むことが求められる。
つまり、責任と権限を持った強力なトップ個人の力ではなく、
チームとしてパフォーマンスを上げる「チーム経営」への変化が求められている訳ですが、
もちろんその変化にお気づきの経営者は決して少なくありません。
だからこそ、経営者と社員の意識や視点のギャップがなかなか埋まらない状況が、
多くの中小企業の経営者の悩みとなってきています。

さらに、情報革命により社員が様々な情報をいつでも手に入れることができるため、
経営者の指示の浸透力も以前と比べ薄れてきています。
情報がないからこそ経営者や上司のことを信用するしかないという状況から、
誰でも簡単に情報を入手し、自己判断を行う状況へ。
この状況は一見良いことのように思えるのですが、
実は肝心な情報が抜け落ちた中での判断や、視点が短期的であったりと、
必ずしもそれが良い状況に繋がるわけではないのが実状です。

従って、時代の変化と共に組織の仕組み・運営方法に大きな変化が求められている訳ですが、
トップの強いリーダーシップのもと行われてきた「ワンマン経営」を、
理念・ビジョンを軸とした「チーム経営」に変えていくことは、当然ながら容易なことではありません。
理念・ビジョンを共有すること、既存の仕組みを変えること、責任と権限を委譲すること、
慣れ親しんだコミュニケーションの取り方を変えることの難しさは、経営者ご自身が一番お分かりだと思います。

そこで必要になるのが、経営者と社員の間を繋ぐコミュニケーター、つまり我々コンサルタントです。

それぞれ異なる立場の人間が、今の状況をどう捉え、何を考え、何に困っているのか?
それらを第三者として正しく認識し、組織内に客観的かつ効果的に伝達することで、
組織が誤った方向に進んでいくことを防止すると共に、
従来の「ワンマン体制」ではなく、
コミュニケーションをベースとした「チーム運営型組織」への成長を促すことができます。
私たちがコンサルティングを行う際に、必ず「全社員面談」を通じての現状把握や、
自社の理念やビジョン、強みなどを階層別に再度共有する「共有研修」からスタートするのも、
理念・ビジョンを軸とした「チーム経営」への変化を促すためです。

あるクライアント企業の社長様が、そんな私たちのことをこう評してくださいました。
「アイアルマーズさんは、僕らにとって三の手のような存在だね。」

「三の手」とは、「第三者の声」という意味ですが、
社内の人間同士では直接言えないことや言っても伝わらないこと、そういったことを知識と理解を持った第三者(三の手)として、
それぞれの立場の人間に効果的にコミュニケーションしてくれる。そんな存在であるという意味です。

例えば、よくあるケースですが、朝礼の重要性をトップがいくら伝えても、社員がなかなか本気で取り組んでくれない。
しかし、「三の手」となる外部の私たちが、「脳科学的にいかに朝礼が脳に良いのか」を伝えると、
突然、朝礼に対する参加意欲が高まる、といったことが起こります。
これは、親子の関係と似ていますが、いくら大切なことを親が子に伝えても感情が邪魔をして、素直に聞くことができない。
しかし、学校の先生であったり、親戚であったり、別の人が同じことを伝えると、「なるほど」と納得できる。
こんな原理と同じだと考えてもらえればわかりやすいと思います。

情報化が進み、高度なマネジメントが要求される中で、三の手の重要性が日々増してきていると思っています。

世代間のギャップを埋める「通訳者」として

時代が変われば人の価値観も変わります。
今の40代以上の方が生まれ育ってこられた環境と、
物心が付いた時からネットや携帯、ゲームに囲まれて育ってきた今の10代・20代の方とでは、
当然価値観やコミュニケーションの方法が異なります。

例えば、よく言われることですが、バブル時代を経験されている方と、経験のない若者では欲求の質が大きく異なります。
「お金は最低限あればいい。家も車も要らない」「質素でもいいから、平和に生きていきたい」という現代の若者の価値観。
年配の方はそれを総じて「草食系」と呼んだりする訳ですが、
「質素でもいいから、楽しく社会に貢献できるように仕事をしていきたい」という価値観に対して、
いくら「甘い」「もっと欲を持て」と根性論で返しても、
そもそもの価値観が異なる中では、その論理は全く通用しません。

ただし、今の若者は「社会や他人に貢献する」ということに、驚くほどのモチベーションを発揮します。
コミュニケーションの手段においても、SNSやメールの方が、直接的な対話よりも本音を語りやすい傾向にあります。
そういった世代間での価値観の違いを正しく認識し、心を一つに繋いでいくことは、組織の運営においてとても重要です。

だからこそ、私たちはコンサルティングの現場で、
1.世代間で生じている価値観のギャップを理解すること
(引き継ぎにあたっては、ご自身の価値観が後継世代と異なることをよく理解すること)
2.ギャップのある各世代が、会社の未来に向かって心を一つにすること
3.一つになった心がバラバラにならないように、常に価値観のギャップを埋めながら、組織が機能する仕組みをつくること
を常に意識し、クライアント企業の皆さまにも繰り返しお伝えするようにしています。

また、アイアルマーズでは創業以来毎年新卒者を採用し続けています。
もちろん自社の組織を構築していくために取り組んでいるのですが、
コンサルティングの現場でも、世代間のギャップを埋める「通訳者」として若手コンサルタントの力が大いに発揮されています。
特に変化の激しい現在は、年齢が一つ異なるだけでも、その価値観は大きく異なります。

組織の心を一つに繋ぐための「通訳者」としても、我々コンサルタントの存在が求められていると思っています。

変化に強い組織をつくるための「ファシリテーター」として

変化の激しい時代において、「成功のノウハウ」は瞬時に過去のものとなります。

従来コンサルタントが得意としていた「経験則をもとにつくった成功ノウハウの移植」という方法では、
簡単に成果が出ない時代となりました。
今の時代を生きるコンサルタントに求められているのは、
「原理原則に基づき、一社一社独自の成功ノウハウを共に創り、蓄積していく」というスタンスです。

私たちは「自分たちの知識や経験を詰め込んだノウハウを提案する」というスタイルでコンサルティングを行っておりません。
クライアント企業様独自の強みや文化、目指す姿をしっかりと理解した上で、
経営者のみならず、社員の皆さまと共に仕組みを構築していくというスタイルでコンサルティングに取り組んでいます。

もちろん、一社一社対話を繰り返しながらオリジナルで創っていく訳ですから、私たちがコンサルティングに取り組む時間は膨大です。
クライアント企業様には毎週必ず一週間の稼働時間をご報告しているのですが、
大半のクライアント企業様は、私たちがコンサルティングに従事している時間を見て驚かれます。
ただ、そういったスタンスでないと、成果を出すことなど絶対にできません。

また、社員の意識を変革することにおいて、対話を繰り返す取り組み・プロセスにこそ真の価値があります。
組織内で対話を繰り返すことによって、全社員が自発的に考え、行動していく風土が定着していく。
私たちはコンサルティングのプロセスを通じて、そういった文化を形成していくことに重きを置いています。

成功ノウハウの「プロバイダー(提供者)」ではなく、
変化に強いチーム運営型組織をつくっていくための「ファシリテーター(促進者)」としてのコンサルタント。
変化の激しい時代だからこそ、必要な存在だと認識しています。

共に闘い、共に成長する真のパートナーであるために

アイアルマーズはこれらの点において、高い価値を提供できると確信しています。

私たちは、経済の動向や業界の知識はもちろんのこと、常に多様な世代の経営者や現場社員の方々と仕事をしながら、
世代独自の考え方や価値観を深く認識しています。
そういった土壌を持ち、高い質問力でクライアント企業様が大切にしている考え方やノウハウ、課題点から解決策までをも引き出していき、
そこに「人事の専門家」としての知識や考え方を付加することで、
クライアント企業様独自の人事制度を構築し、着実に成果を出し続けてきました。

また、私たちは、お客様とのパートナーシップをとても大切にし、
「上でも下でもなく、共に成長していくパートナー」としてお付き合いさせていただいております。
そのようなスタンスでクライアント企業様とお付き合いさせていただいているため、
お客様の忘年会や新年会、達成会などのイベントや、時には社員旅行までご一緒させていただくこともあります。
また、複数のお客様と一緒にマラソン大会に参加したり、パーべキューをしたり、時には被災地にボランティア活動をしたりと、
仕事の枠にとらわれないお付き合いで、相互成長できる関係を大切にしております。

この考え方は、コンサルティングにおいても活かされています。

先生でもなく、業者でもない、共に闘うパートナーとしてコンサルティングさせていただいているので、
時にはお客様と夜を徹して仕事に取り組むこともあります。
「パートナー」という存在が、勝負どころで引く訳にはいきません。
一緒になって本気で取り組むことが、人生においてかけがえのない経験となることを私たちは深く理解し、実践しています。

「理論や仕組みを教えてくれるコンサルタント」ではなく、
「会社のことを知り尽くし、利害を超えて共に成長していくコンサルタント」であること。
私たちは、クライアント企業様の繁栄において、真に価値あるコンサルタントでありたいと思っています。

これからも、「企業組織の在り方を時代に即した形に変革し、働く人の思想を変えていく」というビジョンに向けて、
常に自問自答を繰り返し、全力で組織の問題に取り組んでいきたいと思っています。

代表取締役 堀部 直紀